Every single day is not my day.

昨日も今日も調子が悪かった.明日も調子は悪いだろう.

かき小屋に行って牡蠣を無限に食べよう

最近まとまった長さの文章をほとんど書いていないような気がするので,リハビリも兼ねて最近行ったかき小屋の話でも書いておきます.かき小屋へ行って牡蠣を食べまくった,というだけのお話です.

 

牡蠣,美味しいですよね.
なんて言うわたしも小さい頃は牡蠣を食べることができませんでした.そもそも魚以外の魚介類全般がめちゃくちゃ苦手で,家族で回転寿司に行ってもマグロとネギトロとシーチキンくらいしか食べないという,偏りまくりの舌を持っていました.魚介類がまともに食べられるようになったのは,大学生の時に東尋坊周辺で美味しい海鮮丼を食べて以降のことです.牡蠣もだいたいそれくらいの時期から食べられるようになりました.

牡蠣を食べるとなると,大体は居酒屋に飲みに行ってメニューに牡蠣があった時に注文するくらいでしょうか.あとは定食屋のカキフライとか.あんまりガッツリと牡蠣を食べる機会というのは無い気がします.しかし世の中には,牡蠣を大量に摂取するためだけの施設があります.そう,かき小屋です.

かき小屋.潔いネーミングです.牡蠣の小屋.他にも看板になりそうな海産物はたくさんあるだろうに,牡蠣で一点突破を図ろうというその姿勢には清々しさを感じます.それだけ多くの人々の需要が存在するということなのでしょう.人は牡蠣を求め,かき小屋へたどり着き,そこで牡蠣と向き合うのです.これまで居酒屋や海沿いの定食屋などで散発的に牡蠣を食べる機会はありましたが,かき小屋に行って大量の牡蠣を食べたことはありませんでした.是非行ってみたい.

そういうわけで探し当てたのがここ,三陸山田のかき小屋です.

www.yamada-kankou.jp

岩手県下閉伊郡山田町.宮古市釜石市の中間あたりに位置する町です.三陸沿岸でなかなかアクセスが難しい場所ではありますが,最近は三陸自動車道が開通してかなり便利になりました*1.例えば東京日本橋から常磐自動車道仙台東部道路を経由して三陸自動車道というルートで,なんと 7 時間半で山田町にたどり着くことができます*2

リンク先にも書いてある通り,事前の完全予約制なので 2 日前までに観光協会に電話をして予約をしておく必要があります.まぁほとんどの人にとっては「よし!明日山田町のかき小屋に牡蠣食べに行くか!!」というノリで行けるような場所ではないので特に問題は無いでしょう.ちゃんと事前に計画を立て,電話で予約を取り,大量の牡蠣の摂取に向けて時間を掛けて気持ちを高めてから向かいます.
ちなみにリンク先には「2 名様以上」という人数制限が書いてありますが,1 人で予約を取って来ている人もいました.席に余裕があれば 1 人でもいけるのかもしれないけど詳細は不明.

 

さて予約当日,開始時刻の 15 分前までにかき小屋に到着します.

 今回選んだのは,3500 円の「基本プラン」.40 分間蒸し牡蠣が食べ放題になるコースです*3.小屋の中には正方形の机がいくつか並んでいて,真ん中に牡蠣を蒸す用の大きな鉄板があり,それを囲むようにして席に付きます.そして鉄板の上では山のように盛られた牡蠣が既に蒸された状態で,40 分間の "戦い" の始まりを今か今かと待ち構えていました.

 たいていのかき小屋だと牡蠣の殻は自分たちで剥く必要があり,慣れていないと硬い牡蠣の殻をこじ開けるのに四苦八苦する場合もあってそれで貴重な食べ放題の時間を消費するなんてこともあるようですが,ここ山田かき小屋は各テーブルに店員さんが一人付いて,鉄板に盛られている牡蠣を次から次へと剥いて提供してくれます.

 その提供スピードの早いこと早いこと,目の前に出された牡蠣を一つ食べているうちに,次の牡蠣が二つくらい供給されます.わんこそばならぬ,わんこ牡蠣か?という感じ (そんなものはない).

 

さて肝心の牡蠣ですが,とても美味しい.蒸し加減も蒸しすぎない程度でちょうどよくて身がプリプリです.店員さんも高速で牡蠣を剥いて高速で提供しながら,美味しい食べ方を伝授してくれます.

まずは,調味料などを一切付けずにそのまま食べる.わかります,素材の味というやつですね.
次は,山田町で生産されているという山田しょうゆを軽く垂らして食べる.個人的にはこれがシンプルで一番良かったです.とにかく山田しょうゆが牡蠣にとても良く合う.かき小屋で牡蠣を食べるために開発されたしょうゆなのではないかと思うくらいでした*4

また 3500 円のプランにはご飯も付いてきます.おかわりは 2 回までなので無限に白米をいただくことはできませんが,まぁ 40 分で計 3 杯食べられるわけなので十分でしょう.この白米の上に牡蠣を 3-4 個置いて出汁が出るまで 1 分ほど放置し,先程の山田しょうゆを軽く垂らして牡蠣ご飯にすると良い,という本質情報も教えていただきました.完璧なソリューションの提案,脱帽です.

かき小屋に置いてある自由に使える調味料は,しょうゆ,一味唐辛子,レモン汁の 3 種類でしたが,自分で調味料を持ち込むのはオッケーとのこと.店員さんによると,持ち込みの調味料で人気なのはバターやチーズで,人によってはマヨネーズを持ち込む人もいるのだとか.蒸し牡蠣にマヨネーズ,正気か!?
マニアックな持ち込み調味料としては,ウィスキーを持ち込んだ客もいたとのこと.蒸したての牡蠣にウィスキーを数滴垂らして頂くらしいです.人は牡蠣を美味しく食べるためにここまで罪深くなれるのか… *5

 

しょうゆを垂らしたりそのまま食べたり,牡蠣ご飯にしたり…といろいろ味変しながら食べているうちに,山盛りだった牡蠣も次第になくなっていきます.しかしここは 40 分間の食べ放題プラン.時間の許す限り牡蠣を食べることができるわけです.次の牡蠣を求めない理由はありません.

 鉄板の上にスコップで豪快に追加される牡蠣.慣れた手付きで水を掛けて蓋をして牡蠣を蒸す店員さん.第 2 ラウンドの始まりです.正直に白状するとこの時点ですでに満腹寸前までいっていたんですが,今更後には引けません.相席で向かいに座っている別のお客さんがまだまだ余裕そうだったので,万が一わたしが斃れた際は向かいのお客さんに託すことを心に決めました.

おかわりの牡蠣が鉄板上に追加されて蒸し上がるまではおよそ 10 分.食べ放題の 40 分にはこの追加の蒸し時間も含まれるのですが,普通の人なら 1 ラウンド目で結構お腹いっぱいになると思われるのであまり気にすることはないと思われます.

蒸されている間に水を飲んだりして "調子" を整え,いざ第 2 ラウンド開幕.先程までと同様に,店員さんが高速で殻を剥いて次々と目の前に提供してくれます.限界まで食べるぞ!!と意気込んで食べ始めるものの,数個食べた段階でそろそろお腹が限界に.レモン汁を多めにかけてさっぱり風味の味変を試してみたり,一味唐辛子を多めにかけてみたりと試行錯誤はしたんですが,ここまで来ると口に入れた牡蠣がだんだん飲み込めなくなってきます.無限に牡蠣を食べるぞ!と意気込んで来た割には贅沢で情けのない話です.明らかに落ちる消費量,しかし店員さんの牡蠣を剥いて供給するペースは変わらず,次第に目の前に牡蠣が積み上がっていきます.

 完全に限界を感じたため,店員さんに「これ以上は無理です…」と白旗宣言をすることになりました.牡蠣,無限に食べることはできなかったよ… (それはそう)

わたしは第 2 ラウンドの中盤で力尽きたわけですが,向かいの席にいたお客さんは各地のかき小屋をめぐることがあるという "歴戦の猛者" だったようで,ペースを落とさず次々と牡蠣を飲み込んでいきました.そして,店員さんの「まだちょっと時間あるよ?どうする?」という煽りの言葉に乗り,なんと第 3 ラウンドの牡蠣も投入決定.わたしが水をゴクゴク飲んでいるのを尻目に,さらに追加された牡蠣も完食しておられました.のんきな気分でかき小屋に来たわたしとの牡蠣と向き合う覚悟の違いのようなものを感じました.

 

そんなこんなで,今回の山田かき小屋のまとめです.

めちゃくちゃたくさん食べられる
これは牡蠣の食べ放題を行う上で結構重要な気がします.かき小屋にも色んなスタイルがあると思われますが,大抵は自分で殻を剥いて食べるため,手が汚れるし時間がかかるしで,思ったほどの量を時間内に食べられないという話を聞きます.向かいの席に座っていたかき小屋の歴戦の猛者さん (敬意を込めた呼び名) もそう言っていました.今回のかき小屋は全ての作業を各テーブルに付いた店員さんがやってくれるので,客である我々がすべきことは,目の前に供給される牡蠣をただ食べること,それだけです.牡蠣と向き合い,食す,その流れのみに集中できる.そういう意味で大変おすすめのかき小屋と言えます (途中でお腹が限界になった人間が言うセリフではない).
40 分の時間制限でどれだけ食べられるかについてですが,2 回 (スタート時点で蒸されている牡蠣の山 + その後同量の牡蠣を追加して蒸す) が標準でしょうか.調子が良ければさらにもう 1 回いく時間はあるので,がんばれば 2.5 回といったところです.

「味変」をしよう
かき小屋に置いてあって自由に使える調味料は,山田しょうゆ,レモン汁,一味唐辛子の 3 種類のみです.まぁその 3 種およびそれらの組み合わせでも十分ではあるんですが,このかき小屋は調味料であれば持ち込みが自由なので,たくさんの味を試したいという人は自分でたくさん持ち込むことをおすすめします.上にも書いたように,店員さんのおすすめはバターやチーズです.また,食べ物や飲み物は基本的に持ち込み不可 (ドリンクは別途注文) ですが,調味料としてウィスキーを持ち込むのは OK です.ウィスキーは調味料ですから仕方がないですね.もちろん,日本酒を調味料として持ち込むのも OK です.まぁ,あくまで良識の範囲内で….

実は牡蠣だけではない
かき小屋なので当然牡蠣を食べまくるわけですが,実は他にもいろいろプランがあります.詳しくはウェブサイトを見てもらうとして,店員さんにもおすすめされたのは「貝盛ミックスプラン」で,こちらは牡蠣は 10 個だけしか食べられない代わりに,ホタテやアワビなど複数の海の幸がいただけるというコースです (10 個も牡蠣を食べられれば十分なのでは,という説もある).
また,基本プランは 40 分間の食べ放題ですが,60 分間の食べ放題ができる「ゆったりプラン」というのもありますね.お腹の方はゆったりどころの騒ぎではなくなると思いますが.

*1:三陸自動車道自体は宮城県気仙沼市に一部未開通区間がありますが,まもなく全通する予定とのこと.

*2:Google Map 調べ.

*3:どのコースにするかは電話予約の際に伝える必要があります.

*4:このしょうゆは近くの道の駅などで販売していたので,寄った際はぜひお買い求めいただきたいです (宣伝).

*5:ちなみに食べ物や飲み物の持ち込みは原則としてできないことになっています.調味料としてのウィスキーはオッケー.調味料だからね.