Every single day is not my day.

昨日も今日も調子が悪かった.明日も調子は悪いだろう.

計画性 (があればよかったのに) - セルフ引越し業の顛末記

これはあらBさん主催のアドベントカレンダー じゆうちょう Advent Calendar 2020 - Adventar の 21 日目の記事です.

アドベントカレンダーを書くのはこれが初めてなので勝手が分からず緊張していますが,自由にやらせていただきたいと思います.「おすすめの何か(モノ・コト)」を設定するとのことなので,この記事のおすすめ (というかテーマ) は

「計画性 (があればよかったのに)」

とし,5 年ほど前に経験したセルフ引越し業の顛末について,そしてセルフ引越しを行う羽目に陥らないための計画性の重要さについて,不必要なまでに詳細にねっとりと書いていきたいと思います.
計画性,それは大事.誰もが分かってはいるのだけど.

はじめに

まず,「セルフ引越し」とは何か.もちろん文字通り,セルフで (自分で) 行う引越しのことです.

飲食店でお水はセルフサービスですと言われたら水は自分で汲みに行く必要があるし,セルフ式ガソリンスタンドでは,一連の給油作業を店員さんではなく自分が行う必要があります.最近だとセルフレジで客が自分自身でバーコードを読み込ませて会計をする,なんていう店も増えてきましたね.

セルフ引越しも,通常であれば引越し業者に依頼して相応の対価を支払って行ってもらう引越しの作業を,自分自身で行うことを指します*1

 

セルフ引越しという概念自体は特に突飛なものではなく,例えば「引越し セルフ」や「引越し 自分で」などで検索すると,引越しは自分でできる?業者なしでもできる?コツは?注意点は?学歴は?彼女はいるの?調べてみました!いかがでしたか?というサイトがわんさか出てきます.
この手のサイトが参考に値するかどうかは知りませんが,そこを参考にしてセルフ引越しにチャレンジしてみるくらいならさっさと引越し業者を探したほうが良いでしょう.マジで.

セルフ引越しを無事に行えるかどうかは,まぁやってしまえばなんとかなったというのが結論なのですが,わたしの経験は完全にバッドノウハウと言えます.

引越しの移動距離や荷物の量,時間的余裕によっては,セルフ引越しを敢行しても大丈夫な例はあるでしょう.例えば同じ市内や隣町程度の距離だったり,新居の契約も旧居の退去期限も余裕があるので時間を掛けてゆるゆると荷物を運んでも大丈夫な場合などです.
わたしが行ったセルフ引越しは,名古屋・東京間の引越しで,この距離のセルフ引越しはゼッタイにおすすめできません*2

 

ちなみにこのセルフ引越しの顛末は,Togetter に既にまとめてあります.当時の流れを,わたしやその周囲の人の反応も含めてかいつまんで把握したい場合は,予習としてまとめを読んでおくといいかも知れません*3*4

togetter.com

しかしツイートはあくまで当時の断片的な記録に過ぎないこと*5,ツイートしていない出来事が多々あること,当時のツイートでは具体的な地名や行程などを出していないことなどもあり*6,Togetter のまとめはかなり不完全な記録になっています.

今回は,せっかくアドベントカレンダーで何か文章を書くという機会を頂いたので,この顛末をより詳細に書いてみようというわけで筆を執った次第です.

 

先に流れを大雑把に言ってしまうと,

いろいろと限界過ぎて名古屋 → 東京の引越しで業者と契約するのに失敗しました.

なのでレンタカーを借りて名古屋・東京を 2 往復しました.

二度とやりたくない

こういう感じのお話です.

背景

まず,どうしてこんなことになってしまったのか.

原因は複数あり,

  • 博士課程 3 年の年度末という限界極まる時期のことであった
  • 次の居場所がはっきりするのが割と遅めだった
  • 居場所が判明した後に新居を決めるのが遅かった
  • 引越し業者を探し始めるのも遅かった
  • 引越しが事実上未経験でいろいろ勝手を知らなかった

などの要因が複合してこんなことになってしまいました.

しかし今から思えば,ちゃんと計画性を持ってやっていればもうちょっとうまく立ち回れたはずで,わたしの想像を絶するルーズさ,だらしなさによってこのような事態に陥ってしまったということは間違いないでしょう*7

 上記まとめにあるように,引越しを行ったのは 2016 年の 3 月です.

そろそろ引越しをちゃんと考えなければいけないという雰囲気のツイートを,年度末まで 1 ヶ月を切った 3/8 にしている時点で,もういかにもダメという感じがビシビシと伝わってきますね.

 

当時 D3 だったわたしは,博士論文の公聴会や審査会をなんとか終えて学位を取得することが決まっていた,要は大学院を修了して出ていくこと自体は確定していたという段階でした.しかし 2 月末の段階では,次の 4 月からどこに行くのか (あるいはどこにも行けずに野に放たれるのか) はまだ決まっていないという状態でした.

いわゆる一般的な就職をするというケースだと,もっと早い段階で就職先から内定をもらっており,引越し先を決めるのは配属先が決まり次第,という場合が多いのではないかと思います*8
しかしアカデミックな就活の場合,なかなか卒業後の行き先が決まらないという場合が多いです.たぶん.
わたしもその例に漏れず,年明けどころか 3 月に入るまで次の行き先は決まりませんでした*9

そういうわけで,まずは次の行き先が決まるというスタート地点が遅めだったのです.

 

さて,3 月の初旬に行き先が決まったのなら,その後大急ぎで新居を決めて引越し業者を探すべきですよね.すべきだったんです.

4 月からの行き先は東京都内*10だったんですが,ちょうど 3 月の中旬に学会で東京に行く予定があったため,新居探しはその時でいいかな…という油断がありました.百歩譲って新居の契約が 3 月中旬になったとしても,引越し業者は早い段階で探し始めておく必要がありました.まぁ,今となっては何とでも言えますね.

ちなみに引越しそのものは初めての経験ではなかったのですが,最初の引越しは実家から一人暮らし先への移動であり,しかも学部 3 年の時にそれまで実家からの通いだったのを一人暮らしに切り替えたというものだったため,引越しにはかなりの日程的な余裕がありました.
冷蔵庫や洗濯機などの家具は購入したホームセンターから新居に配達してもらい,実家の自分の荷物は親の車を借りて数回に分けて自分に運ぶなど,結構ゆるゆると進めました.そのため,深いところで引越しをナメていた感があったことは否定できません.

 

こうして,D3 のギリギリだった精神状態,行き先や新居の決定の遅さ,引越し業者とのコンタクトの遅さ,引越しと向き合う姿勢の欠如など様々な要因が重なって,わたしはセルフ引越しの実行へと着実に歩んでいくことになります.
この先に地獄が待っているとも知らずに….

セルフ引越し業への道

引越し業者との契約に失敗する

3 月中旬に学会で東京へ向かい,その合間になんとか新居を決めて仮押さえも済ませたわたしですが,引越し業者との契約は遅々として進みませんでした.
その理由は明白で,特に業者探しをしていなかったからです.

馬鹿なのか?

その通り,馬鹿だったのです.

ただ,期限が明白に決まっている重要な事項を,頭の片隅ではすぐにやらなければ片付けなければと分かっていても,着手するのをついつい先延ばしにしてしまうことってあるじゃないですか.いやまぁ,ちゃんとした「計画性」がある人であればそんなことはなく,やらなければならないことをあらかじめリストアップし,期限から逆算して計画を立てて順番に処理していくのでしょう.わたしにはその計画性というものが欠如していました.少なくともこの当時は*11

 3/21 の時点でこんなことを言っているの,ヤバさが伝わってきますね!あと 10 日で 3 月が終わり,その翌日から新社会人として出勤することになっている人間のツイートとはとても思えません.

 

そして,いい加減やばいな?と思って引越し業者を探し始めた頃には,既に何もかもが手遅れでした.

ウェブで引越しの見積もりをしたら,翌日にその業者から電話がかかってきて,「もう人手もトラックも足りていないのでお受けできません」と断られるなどしました.
えっ,こういうのって断られることあるんだ,って感じですね (それはそう).

こんなのんきなツイートをしている場合じゃないんですけどね.

 

思い付くところ何社かウェブ見積もりをしたり直接電話をかけたりしてみましたが,どこもダメでした.ダメです. 

かくして,業者の助けを借りずに自力で引越しをする,「セルフ引越し」を行うことが確定したのです.

レンタカーを調達しよう

セルフ引越しを行う上で必要不可欠なのが,荷物の運搬手段,すなわち車です.
実家からの引越しの際は,親が車を使わない土日に車を借りてゆるゆると荷物を運びましたが,今回はそういうわけには行きません.当然レンタカーを借りることになります.

荷物をなるべくたくさん詰め込んで運びたいので,借りるのは当然ハイエース級のバンということになります.運ぶ荷物の量を考えると,ハイエースと言えども 1 回で運ぶのは厳しい.そのため名古屋と東京をレンタカーで 2 往復することを決意しました.

しかしここで再び問題が持ち上がります.年度末は人の動く時期であり,また長期休暇でもあるためレンタカーの需要も大きくなるのです.そう,セルフ引越しに必要な大型の車を借りるのも難しいという状況に直面したのです.

引越し業者に見放され,レンタカー業者からも見放されてしまうのか!?どうなるわたしのセルフ引越し業!?

近隣のあらゆるレンタカー業者を探し回り,なんとか 3/29 の夜から 3/31 昼過ぎまでの期間でハイエースを借りることには成功しました.いくらなんでも日程がギリギリ過ぎて笑えますね.しかしこの時間内に 2 往復するのは厳しく,もう一回分の往復をするためのハイエースはどこの業者も空いていない.劇的ピンチ!

最終的にハイエースは諦めて,軽自動車タイプのバンをもう 1 往復分として借りることにしました*12
積載量が多いバンタイプとは言え,軽自動車で十分な量の荷物を運ぶことができるのか?しかしこれしか選択肢は無いので運ぶしか無い.背に腹は代えられないのです.

名古屋・東京 2 往復分のレンタカーを押さえたところで,いよいよセルフ引越し業実行への準備は整いました.

セルフ引越し業第一回

そんなこんなで,セルフ引越し業がスタートします.引越し業者探し (の失敗) やレンタカー探しなどここに至るまでに既に散々な目に遭いましたが,"本当の戦い" はここからなのです (散々な目に遭ったのは自業自得では?).

実家にはわたしの引越しが "難航" していることは伝えてあったんですが,さすがに引越し作業を手伝いに来てくれるほどの時間的な余裕は両親にはありませんでした.しかし諸事情により時間にとても余裕がある親戚のおじさんが手伝いに来てくれることになったのです*13

まずはレンタカーを借りに行き,詰め込めるだけの荷物を詰め込みました.
冷蔵庫や洗濯機をヒイヒイ言いながら運んで車に詰め込んでいるときは「どうしてこんなことを…」という気持ちが極大を迎えたことを覚えています.本当に,どうしてこんなことに… (胸に手を当てながら)

 軽のバンに詰めるだけの荷物を詰め込み,残ったものは後日のハイエースに託します.ハイエースに乗り切らなかったらそこで試合終了なわけですが,そうなった時のことは考えないようにします.セルフ引越しにプラン B などは無いのです (セルフ引越しという選択肢自体がプラン B なので).

車の運転は手伝いに来てくれた親戚のおじさんと交代でやろうと思っていたんですが,おじさんの「新東名の新開通区間を一度通しで運転してみたい」というたっての希望により,行きはずっとおじさんが運転することになりました*14

新東名・東名と走って海老名から圏央道に入り,八王子から中央道に乗って調布 IC で高速を降り,新居に到着.圏央道はこういうときに便利でいいですね (こういう時とは…?).

不動産屋に行って鍵を受け取った後,車に乗せていた荷物をとりあえず全部運び込みました.まだ第二弾が控えているので部屋のレイアウトとかそんなものは後回しで,冷蔵庫や洗濯機など置き場所が実質的に決まっているものだけを適当に設置します.

特に長居をする理由もないので,荷物を新居に運び込んだ後はすぐに名古屋に向けて戻りました.行きはおじさんがずっと運転していたので,帰りはずっとわたしの運転です.疲労の分散という観点では行きも帰りも途中で交代したほうが良いような気もするけど,おじさんが新東名を通しで運転して見たかったのだから仕方がない.

名古屋へ帰還し,レンタカーを返却し,セルフ引越し業の第一回目は無事に終了しました.

 

ちなみに不動産屋に行って正式に契約をして鍵を受け取る時,先方の事務のお姉さんが仕事をミスりまくっているというトラブルもありましたが,まぁセルフ引越しとはあまり関係ないので省きます.

間違いを修正して新しい契約書を印刷したら今度は別のところが間違っているの (しかもそれが 2 回),いったいどうなっているんだ…?

セルフ引越し業第二回

親戚のおじさんの助力を得たセルフ引越し業の第一回目は無事に終わりました.2 人いると作業が捗っていいですね.しかし部屋にはまだ運ぶべき荷物が残っています.セルフ引越し業はまだまだ続くのです.

3/28 に名古屋に戻ってきてレンタカーを返却したその翌日,3/29 の夜に再び別のレンタカーを借りに行きます.今度は大容量のハイエースです.さすが,軽のバンとは空間的な余裕が違いますね.
これまで友達とのレンタカーを使った旅行で大きめのミニバンを運転したことは何度かありましたが,ハイエースクラスの車を運転するのは初めてです.しかし運転しないことにはセルフ引越し業は完遂できないのです.

さて一回目のセルフ引越しでは親戚のおじさんが手伝ってくれましたが,今回はいろいろ都合があって誰の助けも借りることができなかったため,荷物を載せる作業から運転まで全ての行程を完全に一人で行う必要があります.つまり,ここからが真のセルフ引越し業と言えます.

部屋の荷物を運び,ハイエースに乗せ,部屋に戻り,また荷物を持って運び,ハイエースに載せる.この作業の繰り返しです.
一人でこういう作業を延々とやっていると,途中から次第に感情が無くなっていくのを感じます.感情を失くした荷物運びマシーンとなっていたせいか,荷物のハイエースへの運び込みは思ったよりも早く終わりました.

 

本当は荷物を積み終わった後にすぐ出発したかったんですが,大家さんへの旧居の鍵の引き渡しは 3/30 しか無理だったので,この日は何も無くなった部屋で夜を明かすことになりました.
この辺りにも計画性のなさが滲み出ていますね.この時期のわたしは全身が計画性のなさで出来ていたと言っても過言ではないでしょう.

何も無くなった部屋をとりあえず掃除して,3/31 が締め切りになっていた論文記事を投稿して*15,毛布だけ敷いて寝ました.

そして翌日,大家さんに鍵を引き渡していよいよ旧居の方の精算は完了.荷物を満載したハイエースで東京へと再び出発します.さらばだ,名古屋よ…!(レンタカーを返しにまたすぐ戻ってくるけど)

 

ほんの数日前に通ったばかりの道を,今度は自分ひとりだけの運転で孤独に駆け抜けます.
これまでは学生という身分でいろいろな人に支えられっぱなしだったけど,これからは "社会" に出て独り立ちして行きていく… このセルフ引越しはそのための通過儀礼 (ルビ:イニシエーション) だったんだなって…… (そんなことは断じて無い)

孤独なドライブを続けて数日ぶりに新居に到着し,今度は車から部屋へと黙々と荷物を運び込む感情のないマシーンとなります.しかしこのセルフ引越し業のゴールは着実に近付いている.がんばれ自分…!

 

荷物を新居に運び終えて最低限ベッドだけを部屋に設置した後は,すぐに名古屋に引き返すかと思いきや,レンタカーをコインパーキングに置いて電車で都心へ向かい,友人たちとの飲み会に参加しました*16
実はこの飲み会への参加はあらかじめ見越してレンタカーを長めに借りていたわけです.こういう時の計画性だけはちゃんとしているので我ながら現金なものですね.この時期においてわたしの計画性が発揮された唯一の瞬間と言えましょう

飲み会終了後は新居に戻り,昼間にちゃんと設置しておいたベッドで寝て,翌日にレンタカーに乗り込んでまたまた名古屋へ帰ります.
数日の間に名古屋・東京間 2 往復目ともなると同じ道を通ると飽きるので,東京→名古屋 2 回目は新東名ではなく東名の方を通りました.新東名はカーブも勾配も緩く道も広いので走りやすいんだけど風景がずーっと山で単調,東名は走りやすさでは劣るんだけど山も海も街も見られて風景がバラエティに富んでいて面白い,という違いがあるんですよね.
もしみなさんもセルフ引越しで同じルートを何度も通る羽目になった時は,新東名と東名の違いを体感してみてください.セルフ引越しそのものは体感するのをオススメできない出来事ですが….

 

ひたすら東名高速を西進して名古屋へ戻り,3/31 の昼下がりにレンタカーを返却します.ここにようやくセルフ引越し業は終わりを迎えたのです.めでたい,超めでたい.長い旅,長い戦いだった…!

 レンタカーを返却したら,今なんらかのキャンペーン (何のキャンペーンだったのか全く不明) をやっているとかで,レンタカー屋さんからカップ麺を手渡されました.まだ生活拠点としての整備が終わっていない新居で食べてくれということかな?(いいえ)

ちなみに,レンタカーを無事に返却してセルフ引越し業が大団円を迎えたことをツイートした際の,友人の反応がこちらです.

 ハートウォーミングなエール,ありがとう!!!!!

レンタカーを返したあとは,これが最後なのでということで大学の研究室に顔を出して挨拶をして,レンタカーで名古屋・東京間を 2 往復して自力で引越しをしてついさっき名古屋に帰ってきたことを話してドン引きされたりしました.うん,そりゃまぁ引くよね.わかるよ.

 

さて,名古屋・東京をレンタカーで 2 往復してセルフ引越し自体は無事に終了したわけですが,この日は3月31日.そして翌日はもう新年度の4月1日(金曜日),すなわち初出勤日です.さっさと東京に帰る必要があるわけです.名古屋に帰ると言ってみたり東京に帰ると言ってみたり忙しい話です.

ここまでの 2 往復は車を運転しての移動でしたが,最後の名古屋→東京間の移動は新幹線を使いました.

 自分で車を運転して移動している時は,愛知県を抜けるのに結構な時間を要し,どれだけ走っても延々と静岡が続くという感覚を味わうのですが,新幹線に乗ってしまうと何もしなくても移動ができるので便利ですね.僕の身体は止まったままで時速 200 km を超えている状態です.BUMP OF CHICKEN の歌詞は染みますね.

 

このようにして,わたしの激動の 3 月終盤は,セルフ引越し業の成就を持って終わりを迎えました.引越し業者が見つからないとか,レンタカー探しも難航しているとかで苦悩していた頃が遠い昔のようです.

夜に十数時間ぶりに東京の新居に戻り,開けられないままのダンボールや組み立てられずバラバラのままの机などを全て放置したままベッドに倒れ込み,社会人 1 日目の朝を迎えることになったのです.
もう二度とこんなギリギリの年度末は経験したくない.誰か,わたしに計画性を与え給え…

セルフ引越し業を終えて

セルフ引越し業を終えた当時の所感です.

セルフ引越しに関する所感というよりは,単に「名古屋・東京を車で 2 往復した時の感想」という感じですね.

 

率直な感想は,何度も書いていますが「二度とやりたくない」「どうしてこんなことに」です.
二度とやりたくないのはともかく,どうしてこんなことにというのは既に書いた通りです.まぁ,こうなるよね.

セルフ引越し業を行うにあたって,単独で荷物を積み込んだり積み降ろしたりひたすら運転を続けたりというのは,大変といえば大変ですがあくまで作業を行う大変さであって,一番辛かったのはある程度引越しの目処が立つ前までの段階における精神的な焦燥感です.引越し業者との契約に失敗してから,レンタカー 2 往復分を確保するまでの期間が非常に辛い時期でした.
やはり物事の見通しが立たない状態というのは辛いものがありますね*17

アドバイスなど

最後に,セルフ引越し業の経験者として,セルフ引越しを行う上での簡単なアドバイスをしておきたいと思います.セルフ引越しを検討している人がいたらほんのちょっとだけ参考にしてください.

まず,セルフ引越しにチャレンジするのはやめておきましょう

非常に近距離の引越しで,日程的にも余裕があって,家族や友人などに手伝ってもらえて,車も自分が持っているか誰かから借りられるという状態であればセルフ引越しが問題なく行えるだろうと思いますが,そうでない場合は基本的にオススメできません.というか極力避けておとなしく業者を探しましょう.

セルフ引越しをおすすめしない理由は,もちろん肉体的にも精神的にも大変だからというのもありますし,大抵の場合は総費用も別に安くはならないという点もあります.
レンタカー代や高速道路料金,ガソリン代を考えると,引越し業者に支払う金額と大して変わらないくらいになります.しかも引越し業者にお願いすれば,重い荷物や家具の運搬も運送も全部やってくれるのです (当たり前だけど).

結果的にだいたい同じくらいの金額を払って全作業を自分で行うか,全部プロにお任せするか,これは比べるまでもないでしょう.

 

セルフ引越しを行わないようにするためには,繰り返し言っている通り,計画性を大事にしましょう.ご利用は計画的に,のアレです (アレとは?).

とは言っても物事を計画的に進めるのが極めて苦手な人もいるでしょう.あの時のわたしのように.とにかく,行き先が決まったら即座に引越し業者に見積もりのお願いをするくらいのスピード感で事を進めましょう.
いくら次の行き先が決まるのが遅かったとは言え,決まってすぐに引越し業者を探していればどこかしらは見つかったはずなので….

 

そして,どうしてもセルフ引越しをしなければならない状態になってしまった場合,例えば過去のわたしのようにどうしようもなく計画性が無かった場合は,まず大至急でレンタカーを押さえ,次に頑張って手伝ってくれる人を探しましょう.
車の運転は一人で頑張るとしても,最低でも重い荷物の運び込みや運び出しの際に誰か手伝ってくれる人がいると作業が格段に楽になります.手伝ってくれた人への何らかの形でのお礼は忘れずに….

後日談

セルフ引越し一回目の時に作業を手伝ってくれた,諸事情により時間にとても余裕があった親戚のおじさんですが,わたしのセルフ引越し業を手伝う過程で「人のために働いて感謝されるのって良いものなんだな」(※本人談) という気持ちになって勤労意欲が復活したらしく,その後すぐに再就職を成功させるというまさかの展開となりました.

セルフ引越し (の手伝い) は勤労意欲を刺激することがある.「災い転じて福となす」とはよく言ったものですね (そうか?).

それから,わたしがレンタカーを借りて名古屋・東京間を 2 往復してセルフ引越しをしたというエピソードはいろんな人にネタにされいじられたんですが,話が人から人へ伝達していくうちにだんだん内容が歪曲されて伝わったらしく,ある日後輩から「聞いたんですけど,yuki さんって名古屋・東京間をレンタカーで 3 往復して引越ししたんですよね」と言われました.
その微妙な歪曲具合は一体何なんだ.

おわりに

以上,わたしが過去に経験したセルフ引越し業の顛末記を長々と綴らせて頂きました.
参考にしてはならない経験,という意味で誰かの参考になれば幸いです. 

このセルフ引越しの後にも何度か引越しを行いましたが*18,その時は経験を活かして,行き場所が決まったら即座に物件を探し,ほぼ並行して引越し業者ともコンタクトを取っています.
そう,人は過去から学ぶことができるのですね (感動).

みなさんも,計画性を大事に生きていきましょう.
もちろん人生はなんでもかんでも計画がうまく立てられることばかりではないし,計画を立てたところでその通りには全く進まないことも多々あるでしょう.しかし計画もせずに物事を先送りにしてただ日々焦燥感を高めていくよりはずっとマシなはずです.

願わくば,もう誰もセルフ引越し業という哀しい行いを経験しませんように…

*1:辞書などにそう明確に定義されているわけではないですが,まぁそういう認識で問題ないでしょう.

*2:ぶっちゃけると,相当な近距離であったとしてもプロの引越し業者に頼んだ方がいいです.

*3:ただし人生は有限なので,あなたの持っている貴重な時間をこのまとめを読むことに費やしてしまって良いのかはよく考えたほうが良いでしょう.読んでしまってから時間の浪費だったと責められてもこちらとしては責任は取りかねます.

*4:そもそもこの記事を読んでいる時間が…

*5:例えば,車を運転している最中はツイートができない

*6:当時の引越し先からは既に退去して無関係になっているので,もう具体的な地名などを出したところで問題ないだろうと思われる

*7:結構ギリギリで次の職が決まってもちゃんと引越しができている人はたくさんいるので.

*8:ただし「一般的な就職活動」は未経験なので詳しいことは分からない.

*9:学振とか当たれば秋くらいには次の行き先が決まってるんじゃないかって?鋭い質問ですね.夜道には気を付けてください.

*10:23区内ではない

*11:今もダメかもしれない.ダメかな.ダメですね.

*12:おそらくスバルのサンバーバンだったと思う.ありがとう,スバル・サンバー.

*13:どうして時間に余裕があるのか,つまり,要するにそういうことです.

*14:一ヶ月半前の2016年2月13日に,新東名高速道路の豊田東 JCT から浜松いなさ JCT が開通し,豊田東から御殿場 JCT まで新東名を通しで走れる状態になっていました.

*15:今考えてみると,この行為もかなりギリギリ感があっておかしいですね.

*16:大塚のレンタルスペースを借りての飲み会だったと記憶しています.

*17:ちなみに今は人生の見通しが立たない状態です.状態です…

*18:この仕事はやたらと引越しが多い.とは言え引越し先 (≒次の行き先) があるだけマシという説もあります.